丸森地区の産直部会総会にお邪魔しました。
ご存知の通り、丸森地区は福島県との県境、放射能問題の風評被害に苦しんでいる地域です。
場所はあぶくま荘。議長は部会長の伏見隆さんです。
冒頭の全体総括の中から・・・・・・・・
「宮城県の中で福島第1原発に一番近い丸森町でございます。放射能の被害がどうなるのか、風評被害がどれほどあるのか、震災当初放射能という見えない敵とどう向き合い、自らの営農と生活を維持できるのか、『安全で安心な野菜を供給できるのか』五里霧中の状態でございました。丸森町全体が暗闇の中に吸い込まれていくような錯覚さえおぼえ。地元直売所では売り上げが激減、地元市場からも丸森産といういうだけで敬遠をされ、都会の子供たちや親戚からも彼岸やお盆には田舎に帰れないと言われ、追い討ちをかけるように、米も野菜も送ることはないと断られ。毎日のようにテレビや新聞に丸森町が出てくるたびに、またか、もう勘弁して欲しい。度重なる報道に心が折れてしまいそうでございました。そのような状況の中、みやぎ生協には国の基準をオーバーしなければ『めぐみ野(産直)野菜は今までと同じく取引をします」と力強いお言葉をいただきました。大変ありがたく、また生協のメンバーからの激励のメッセージ、『丸森の野菜を待っています、お体に気をつけて、おいしい野菜を作ってください。』心温まる多くの励ましを頂きました。今までの産直活動が報われた思いでございます。心より感謝申し上げます。」
目に見えぬ敵との戦い・・・・大変つらい状況です。そんな中でも丸森地区のめぐみ野への23年度販売実績は前年111%伸張しました。グリーンボックスは前年比70%と減っていますが、店売り、共同購入ともに大きく伸張しています。
地産地消の打ち出し、県産品を扱い続けることについて、今でも放射性物質への不安から一部の声として「西日本の商品を扱って欲しい、なぜ県産品を扱うのか、消費者の目線に立っていない」などのお申し出を受けることがあります。
みやぎ生協は被災地の生協でもあるし、豊かな農業県の生協でもあります。めぐみ野産直の42年の歴史も生産者と消費者が互いに交流しながら、手を取り合って成長してきました。漠然とした不安感、根拠の無い風評に踊らされ、単純に消費者受けするようなスローガンで一方的な産地切り捨てを行うことはできません。安全性を確認しながら、産地を励ます、勇気付ける、ともに地域を担っていくスタンスで買い支えていくことが重要ではないでしょうか。
グリーンボックス部会の会長の言葉から・・・・・・(グリーンボックスは定額・定期配達の野菜詰め合わせセットのこと)
「平成23年度のグリーンボックス出荷におきましては、3月11日大震災以降申し込み数量が激減し、前年比70%台となりました。その中でも丸森町の野菜の安全性を信用していただき、年間を通じてご注文を頂きましたメンバーの皆様には言葉に尽くせないほどの感謝とありがたみを感じております。幸いほとんどの野菜に関しては放射性物質は不検出、もしくは極めて低い数値であったことに最低限の安堵感を覚えております。しかしながら日常の不安が完全に払拭されたわけではなく、今後の対応、対策、販売戦略に課題が残りました。地道に丸森町の野菜の安全性をメンバーの方々のみならず広く社会に発信していかなければなりません。先の見えない不安感と閉塞感はありますが、『農家であること』までを失ったわけではありません。いつかきっと平成22年度の実績をも上回る申し込み数量と販売実績が得られますよう、気持ちが折れることのないよう頑張りたいと思っております。」
新年度の事業計画・目標について
①夏蒔きじゃがいも、秋冬ブロッコリーを戦略品目として強めます。夏蒔きじゃがいもの収量目標は10トン。ブロッコリーは作付面積前年対比130%。
②4月より丸森町産直部会では全品目、出荷前に放射能検査を実施し出荷します。
③健康や農作物に関する放射能の勉強会を行います。
④計量器を公的機関で検査をします。
重点品目も明確で、何よりも数値目標がしっかり打ち出されています。期待の持てる中身です。
また全品目について出荷前の放射能検査を実施し、安全を確認することを決意しています。
総会後は鎌田先生による栽培講習会、農業改良普及センターの技術参事を招いての放射能講習会など、盛りだくさんの内容でした。
いかなる困難も乗り越え、ふるさと丸森を守っていくという強い決意を参加者の方々から聞かされ、自分も勇気をもらった気分です。
しっかり頑張らなければ・・・・・・・。